野良猫の生き方!

今日もいるよ野良猫!家の前から離れなくて困るのよね、と妻のつぶやき。
人懐っこく擦り寄ってくる目が金色の逞しい雌の黒猫。妻の話によると正確
に言えば野良猫でなく、三軒隣のK宅の飼い猫だそうで、家に入れてもらえ
ない外飼いで近所をうろついている。K宅の子供がいつものように何匹か拾
ってきた猫の一匹だそうで、子供のオモチャ程度に扱われている猫のようだ。
 
その隣のN宅の奥さんがK宅の奥さんに黒猫の苦情を言うと、「どこかへ行
っていなくなると思っていたが、それじゃお宅で飼ってよ!」と平然と言われた
そうで理不尽な無責任さに唖然として言葉も出なかったらしい。N宅と拙宅も
猫好きで飼っているが放し飼いでなく、家の中だけで飼っている。犬と違って
猫は当然のように放し飼いにされている場合が多く、他にも他家の飼い猫が
数匹いつも近所を徘徊していて、なにやかや近所迷惑の種になっている。
 
野良猫と言っても飼い主のいない完全な野生は少なく、ほとんどが放し飼い
の猫か、人が捨てた食べ物をあさっているのではないだろうか。この黒猫を
不憫に思うが、その憐憫にブレーキもかけている。と言うのは拙宅の飼い猫
のキジトラもK宅の子供が拾ってきた猫だったのではと思えるからなのです。
見かけた当初から人間慣れしていて、拙宅に入り込み妻に餌をねだり、すぐ
に居座ってしまった。猫が飼い主を選んだようで、名前を付けると情も移り
そして我が家の愛猫になったわけです。今回も同じようになりそうで狼狽し
ているが、この黒猫は一応K宅の飼い猫であると区別を付け静観している。
 
キジトラ猫が家族になった当時、我が家には茶トラ猫と三毛猫などもいたが
共に老猫で若く元気なキジトラが家に侵入してきても太刀打ちできないので
老猫たちは諦めたようだ。その三毛猫もかつては野良猫だったが三匹の子
猫を連れて我が家に餌をねだりに来ていたので親子共に我が家で飼う事
になり、母猫はすぐ避妊手術をした。子猫は雌二匹と雄一匹で、やがて雌
は外を出歩き相次いで車に轢かれて亡くなり、雄は肥大型心筋症で若くして
急死し、親猫より先に他界した哀れな子猫達だった。やがて茶トラ猫と三毛
猫も老衰で亡くなり、いつの間にか我が家の飼い猫は、このキジトラだけに
なってしまった。猫は人よりも老いやすく、視力と嗅覚はまだ大丈夫のよう
ですが最近では音に全く反応せず、耳が聞こえなくなってしまったようだ。
 
野良猫の中で少し前から妻がとても気にかけている痩せて小さくてひ弱な
雌の白猫がいる。時々どこからか拙宅へやって来て妻に餌をもらっている。
妻の観察ではこの白猫は乳首が濡れ出産したばかりのようで、他の野良
猫とは違い警戒心が大変強く臆病で完全な野生らしい。同情した妻は子持
ちのこの猫がどこからやって来るのか心配になり、帰っていく白猫の後を
気付かれないようにつけて行き、拙宅からずいぶん離れた畑の廃材置き場
の巣をつきとめ、白と黒っぽい二匹の子猫も見かけたそうだ。母猫を確保し
て避妊手術をしたいのだが子猫に授乳できなくなるので今は躊躇している。
 
猫にとって幸せなのはどちらだろうか?と猫を愛する私はいつも思い悩む。
棲む所と食べ物の心配は無いが避妊・去勢され外をうろつけない家猫と、
棲む所と食べ物をいつも求めて自然をうろつき自由に生きる野良猫と・・・
近所迷惑や車に轢かれたり蚤ダニや病原菌が付く等の病気を防げるから
不自然を承知で、家の中だけで飼う事が正しいと避妊・去勢の手術もして
きましたが、本来の自然のままに生きるのが猫の幸せではとも思うが・・・。
 
自然界は弱肉強食のような食物連鎖があり、人間も同様に、生き物は他の
生き物の命を食べて生きている。それには全ての生き物がいないと強い生
き物だけでは生きられない。猫は自然界では鼠などの小動物と小鳥、蛙、
トカゲや虫などを捕食している。文明により人間は自然環境を開発管理し
変えてしまった。それで自然環境の中に猫の食べ物は少なくなり、必然的に
人間に依存せざるを得ないようになったのではないだろうか。自然の中で
棲む所と食べ物をいつでも得て自由に生きられる環境が理想的なのだが、
もはやほとんどの自然は野生生物の領地ではなくなっていると思う。
 
生き物たちの生きる自由と幸せを願うと人間の文明発展と相反する事にも
なり、自然保護区のように人間は自然を保護する重大な責務を負っている
と思う。動物園や水族館のように人の娯楽のために野生の生き物の自由を
奪い、人が管理し飼う事は自然の摂理に逆らい、余計な事でないだろうか。
 
自然の生物と人間の生活の共存の難問に解答を見出す事は困難だが、
人は何のために生きるのか?と考え悩む時、のんびりと生きている猫を見
ると、いつもあくせくしている私は生きている事が素晴らしいと教えられる。
 
Holy white cat
画像は神秘的な白猫を描いた拙作「聖白猫」です。
Copyright (C)2008 AoiFujimoto. All Rights Reserved.
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aoifujimoto について

1947年石川県金沢市生れ。69年平凡パンチ誌で8Pのイラストレーション作品掲載。73年芸術生活社の月刊芸術生活誌目次絵12点連載。75年に澁澤龍彦著東西不思議物語毎日新聞イラスト連載。87年集英社文庫カバー血の本シリーズイラスト連載。97年画文集怪物伝説白夜書房刊。02年富里市制記念親子馬の銅像デザイン制作。10年富里市案内板と27回トミサトスイカロードレースTシャツのイラストデザイン制作。個展13回。
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