妻の気がかり母子猫!

なんと!母白猫が子猫達を我が家の方へ連れて来たのです。先月9日に
ちょっと書きましたが、以前から妻がとても気にかけていた左目に怪我を
している哀れな境遇の野良の白猫とその子猫達との、その後の顛末です。
 
母猫に教えられたか、本能なのか、利口な子猫は警戒心が大変強い。畑
の草陰などに隠れながら少しずつ母猫の後を追ってたどたどしく歩いて来る
様子が、二階の仕事部屋の窓からよく見えて微笑ましい。最初に来たのは
焦げ茶色のキジトラの子猫で、次は灰色のサバトラ子猫で、最後は白子猫
でした。猫にとっては長い道程を母猫は一匹ずつ時間をかけて往復を繰り
返し、子猫達を注意深く誘導しながらやって来た。子猫を抱えた母猫は必死
の思いで妻に頼り救いを求めて来ているようで、哀切の情景を感じたのです。
 
我が子を殺す母親のニュースを知ると母性愛は無いのかと疑う。人間も動
物も様々であると思うが、この母猫の健気な母性愛に人と同様だと感動した。
 
子猫は二匹いると思っていたが、三匹だったのです。そして我が家の前に
ある小さなポンプ小屋の中に三匹の子猫は隠れ、妻が小屋に近寄ると母
猫は妻の足元に来て子猫たちに「出ておいで」と言っているように見えます。
 
一番勇気のあるキジトラがヨチヨチと妻の方へ近づいてくるのですが、途中
で恐くなったのかサッと戻り、隠れてしまいます。妻の足元で母猫は寝転ん
だりして「この人は大丈夫よ」と仕草で教えているのだが、警戒心が強い子
猫達は隠れたままです。その夜は子猫たちが前の道路でウロウロしていた
様なので車のヘッドライトに眩惑し轢かれたりしないかと心配していました。
 
翌朝、母子猫の姿がどこにも見あたりません。やっとの思いで子猫たちを
延々と連れて来たのに、どうしたのだろうかと案じました。どうやら近所を
テリトリーにしている黒猫たちに夜中襲われたようで母子猫共どこかへ逃
げたようです。妻は母子猫が元いた廃材置き場などを探したが戻っていな
かったようです。そこまでの途中にある空き家の縁の下に隠れているらし
いと妻が言うのですが、居場所はハッキリとわからなくなってしまった。でも、
母猫だけは毎日のようにどこからともなく妻のもとにやって来たのでした。
 
他の野良猫と比べても母猫は弱々しく、今まで野良としてよく生きてこれた
と思えるほど骨も露わに痩せ衰えている。不幸な野良猫を増やさないため
避妊手術を一刻も早くしようと妻は焦っていた。手術後に野良に戻すので
あれば子猫たちはそのまま野良でもしかたないが、手術した後も他の猫など
に殺されそうで、母子猫共に野良に戻すと生きられないだろうと妻は迷って
いたが、結局、この母子猫を家の中で飼うしかないと妻は決断したのでした。
 
それで、子猫たちも何とか一緒に捕獲しなければと決めたようです。ある日、
我が家の今までとは反対側隣の草叢に子猫たちが来ているのを妻が見つ
けたが、妻が近寄ると子猫たちは警戒し、思ったよりも素早く隠れてしまう。
 
妻は子猫たちを保護しようと、白子猫に触れかかった時に手を引っ掻かれ、
更にとどめに咬みつかれ指から血が滴ってしまった。白子猫は恐怖心から
抵抗したようで、子猫といえども野生の猫は人間を極度に恐れているから
当然の事だと思う。それで子猫たちを直接に捕まえるのは危なくて可哀相
なので、子猫たちをゲージに誘って確保しようと考えるようになったのです。
 
子猫は餌も食べ始めていた様なので、母猫の避妊手術の間も乳がなくても
餌でも大丈夫だと確信したらしい。その子猫たちの捕獲準備のため中庭の
軒下にゲージを置き、チョット申し訳ないのですが母猫をゲージに閉じ込め
たのでした。母猫は何でこんな事をされるのか裏切られたようで不安な顔を
していました。そして、ゲージの外側に餌を置き子猫達が近寄って来るのを
待ったのです。子猫達は母猫がゲージの中にいるので、怪訝に思いながら
も草薮から出て母猫のいるゲージに近寄り、ゲージ外側の餌を食べている。
 
一日その状態のまま慣れさせました。翌朝、避妊手術のためゲージから
キャリーバッグに母猫を移し予約した動物病院へ行った。不安気な母猫を
動物病院へ預けて帰宅し、空いたゲージに簡単な仕掛けをしたのでした。
 
ゲージの扉に丈夫なタコ糸を結び窓の隙間から引っ張って閉じられるよう
にしたのです。そして、ゲージの中に餌を置き、私は家の中に隠れて窓か
ら様子を窺っていました。固唾を呑んでしばらく待っていると、最初にキジ
トラが入ってきて餌を食べ始め、次に白子猫が入り二匹でゲージの中の
餌を食べています。ここで向こう側に隠れてタコ糸の端を持っている妻に
合図しょうか迷っているとサバトラも都合よく入ってきたので、妻に手を振
って静かに合図しました。ゲージ扉が閉まると、急いで扉のロックを掛けに
駆けつけ、動転した中の子猫達はパニックになって飛び上がり、爪を剥き
出して駆けずり回って騒いでいましたが、呆気ないほど簡単な捕獲でした。
 
そして子猫達が入ったゲージを家の中へ運び入れました。夕方になって母
猫を動物病院へ迎えに行き、お腹に大きな絆創膏を付けた母猫が帰った
時、既に子猫達も部屋にいたので母猫は驚くと同時に嬉しく安心した様子
でした。母猫は今まで私に警戒して近づく事はなかったのですが、この時
に全てがわかったようで、初めて私にも擦り寄って来て「ありがとう」と言っ
ているように感じました。外敵から逃げ隠れしてきた過酷な状況で生きてき
た野良の母子猫がやっと落ち着けるようになったと喜んでいるようでした。
寒い季節は猫にとっては辛いので、この時期に保護できて良かったと思う。
家の中で暮らし始め、初めは借りてきた猫のようにおとなしくしていました
が、徐々に家猫生活に慣れてきたようです。気がかりなトイレのしつけも
妻がその仕方を教えると、母子猫共に賢くてすぐできたようで安心しました。
 
子猫を調べてみるとキジトラと白が雄でサバトラが雌で、この子猫たちも
四ヵ月後に去勢と避妊の手術をと妻は考えているようです。一匹だった
我が家の家猫が一挙に五匹になってしまい、子猫は活発に上下なく動き
回るので世話をしている妻はてんてこ舞いの忙しさになってしまったが、
家猫達がその生涯を全うするまで私達も頑張って生きなければならない。
kyoto26
親子猫絵は「第26回京都新聞チャリティー美術作品展」拙作の出品作です。
Copyright (C)2008 AoiFujimoto. All Rights Reserved.
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aoifujimoto について

1947年石川県金沢市生れ。69年平凡パンチ誌で8Pのイラストレーション作品掲載。73年芸術生活社の月刊芸術生活誌目次絵12点連載。75年に澁澤龍彦著東西不思議物語毎日新聞イラスト連載。87年集英社文庫カバー血の本シリーズイラスト連載。97年画文集怪物伝説白夜書房刊。02年富里市制記念親子馬の銅像デザイン制作。10年富里市案内板と27回トミサトスイカロードレースTシャツのイラストデザイン制作。個展13回。
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