私の九月

何だろう、
前方に小さな何かがうごめいている。

いつものように
車で田舎道を走行していると
路上の様々な物と遭遇する。

車に撥ねられた哀れな猫か、と
不吉な想像をしながら徐行し近寄ると
道の中央にいたのは一羽の小鳥だった。

よく見ると
何か落ちている物を
夢中で食べているようなので安心した。

驚かさないように更に速度を落すと、
やっと車に気づいたのか
楊枝のような細く短い脚でチョコチョコと速足で遠ざかる。

道路の左右へ出るか飛んでくれれば通過できるのに、
その小鳥は車の進行方向へしばらく行っては立ち止まる動作を
繰り返すので困ってしまった。

突然、驚いたことに
道路脇の人参畑の中から多くの小鳥が一斉に飛び立ち、
同時に、路上の小鳥も一緒に飛び去っていった。

渡り鳥の群が畑の中で休息しながら食事していたのだろう、
私の方が小鳥たちの邪魔をしてしまったようだ。

秋になり
暗くなる時間帯が早まったようで、
夕暮れ時の運転は急激に視認性が落ちるので注意が必要だ。

路上に気をつけながら運転していても
雨の日などは特に見え辛いので危ない。

夕方はスモールランプでなく、
歩行者や曲がり角での対向車にも気づかれやすいよう
早めにヘッドライトを点灯させる必要がある。

ところが、
ヘッドライトを点灯していても
車の速度にも注意しなければならない。

猫などの夜行性の眼を持った小動物は
ヘッドライトの光は明る過ぎて幻惑し視覚障害に陥り
身動きできなくなるので車に撥ねられるようだ。

車で田舎道を走行していて
路上に横たわる猫や狸や鼬の
屍骸を見かけるたびに気落ちする。

なにも台風や長雨のせいだけでなく
秋の侘びしい気分か、むなしく神経過敏になる
つまらない心労が重なり心がふさぐ私の九月だった。

2016-9-23

2016.9.23,Copyright(C)2016 AoiFujimoto. All Rights Reserved.

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aoifujimoto について

1947年石川県金沢市生れ。69年平凡パンチ誌で8Pのイラストレーション作品掲載。73年芸術生活社の月刊芸術生活誌目次絵12点連載。75年に澁澤龍彦著東西不思議物語毎日新聞イラスト連載。87年集英社文庫カバー血の本シリーズイラスト連載。97年画文集怪物伝説白夜書房刊。02年富里市制記念親子馬の銅像デザイン制作。10年富里市案内板と27回トミサトスイカロードレースTシャツのイラストデザイン制作。個展13回。
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