うすら寒い日が続くと、心まで凍ってしまいそうです。
新作描き下ろしアート絵を続けてきましたが一時休止して、
近作イラストレーションを掲載させていただきます。
それは、小説誌の短編のトビラ絵と挿絵の中からの一点で、
原稿のタイトルは優しげな雰囲気を感じたのですが、
拝読して、陰湿な恐ろしさに怯えてしまったのです。
でも、諧謔的なオチに読後は気分的に救われました。
簡単な内容は、中学生時代のイジメが35歳になった男に
復讐として襲い掛かるはめになる奇妙なストーリーです。
これはストレス発散の本能的な悪意か、
それとも心の闇を描いたコメディーなのかと思った。
挿絵を描かせていただく時は、物語の中に浸り、まず
直感のおもむくまま脳裏に浮かんだイメージを
いつも手近な紙片にメモ程度に描きとめます。
この最初に発想した簡単なアイディアスケッチを元に
指定された絵の矩形サイズと枚数を考慮して、今度は
あまりあれこれと迷うことなく、PCでデティールを
描き加えるようにどんどんドローイングする訳です。
描き上がったイラストを編集担当者へメール添付送信し、
OKがきたら、本データをアップロードします。
他の分野の仕事と違って、挿絵は今までほとんど直しが無く、
ありがたい事に自分の感覚で描いたままにスムースに完了しています。
今回は集英社の「小説すばる」4月号
両角長彦・著「自分から言ってくれる?」の挿絵です。
ちょっと宣伝させていただくと3月17日(土)発売 定価880円、
大御所から新鋭、本格からユーモアまで、各種取り揃え!全部短編!
ミステリー小説大特集!是非ご覧いただければ幸いです。
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